実用化間近?海外でのエアタクシーの取り組み(後編)
前回の記事では海外での空飛ぶクルマの取り組みについて紹介しましたが、他にも空飛ぶクルマの実用化に近づいている企業が存在します。
今回の記事では、前回の記事に引き続き海外での空飛ぶクルマの取り組みについて紹介します。
Volocopter(ボロコプター)
ボロコプターはドイツのブルッフザールに拠点を置くeVTOLの企業で、エアタクシー用の空飛ぶクルマの開発を専門に開発を行っています。
ボロコプターは世界で初めて電動の有人マルチコプターを開発した企業としても知られており、eVTOL業界を牽引している企業のうちの一つです。
またボロコプターは2020年にJALと業務提携を結んでおり、2025年の関西・大阪万博での飛行を目指すと発表しています。
すでにJALは2021年にボロコプターに100機のeVTOLを予約したことを発表しており、今後日本での公開試験飛行を計画しています。
アメリカと韓国ではすでに有人でのテストフライトに成功しており、日本に先駆けてシンガポールでのエアタクシーサービスを提供する予定です。
ボロコプターはeVTOLのオペレーティングシステムについてもマイクロソフトとの協働しながら開発を行っていくとしており、航空機の自律運行についても開発に取り掛かっています。
ボロコプターでは2人乗りの「Volocopter 2」や、都市部の短距離移動を想定した2人乗り機体「VoloCity」、荷物運搬用の「VoloDrone」、4人乗りの「VoloConnect」など様々なeVTOLを開発しています。
ボロコプターのeVTOLのうちJALが導入を目指しているのは「VoloDrone」と「VoloCity」の2機種で、荷物の運搬と都市部でのエアタクシーサービスの本格的な商用運行に向けて動き出しています。
EHang(イーハン)
イーハンは中国のeVTOL企業で、2019年にアメリカ・ナスダック市場に上場を果たしており、資金調達の面ではJoby Aviation(アメリカ)、Volocopter(ドイツ)、Lilium(ドイツ)についで第4位の規模を誇っています。
イーハンはすでに中国、アメリカ、オーストラリア、韓国で試験飛行を行っており、日本の岡山県倉敷市でも屋外での試験飛行を行いました。イーハンはスペインの国家警察ともパートナーシップを結んでおり、スペイン国家警察はイーハンのeVTOLを導入することを発表しています。
日本でエアタクシーなどのエアモビリティ市場の構築を目指している株式会社AirXはイーハンとの販売パートナー契約を結んでおり、AirXはイーハンのeVTOLであるEH216を活用して遊覧飛行、物資の輸送、救急医療の対応などの実現を目指しています。
OPENER(オープナー)
オープナーはアメリカ・シリコンバレーに拠点を置くeVTOLの企業で、一風変わったeVTOLを開発しています。
オープナーが開発しているeVTOL「BlackFly」は一人乗りの機体で水陸で離着陸可能で、「ウルトラライト」という機体の分類を目指して開発が進められています。
「ウルトラライト」はアメリカの法律下においてパイロットライセンスなしで操縦可能な機体のことです。
BlackFlyはこのウルトラライトという分類とeVTOLの一般化を視野に開発を進めており、創業者であるマルクス・レング氏は一般的なSUVと同じくらいの価格での発売を目指しています。
オープナーはGoogleの創業者の一人であるラリー・ペイジからも資金援助を受けており、大きな注目を集めている企業です。
Vertical Aerospace(ヴァーティカル・エアロスペース)
ヴァーティカル・エアロスペースはイギリス・ブリストルに本社を置く宇宙航空開発企業です。
ヴァーティカル・エアロスペースは炭素を排出しないeVTOLの開発・製造を行っており、海外の大手企業と協力して2024年のeVTOLの商業運用を目指しています。
2021年にはベルギーの大手化学メーカーのソルベイや自動車メーカーのロールスロイスとの業務提携も発表しており、同年にはアメリカのニューヨーク証券取引所への上場が発表されました。
またイギリスの大手航空会社であるヴァージン・アトランティック航空と提携し、エアタクシーサービスの導入を目指しています。
アメリカの大手航空会社であるアメリカン航空もヴァーティカル・エアロスペースのeVTOLである「VX4」を250機発注したと発表されています。
日本では大手総合商社である丸紅とバーティカル・エアロスペースの業務提携が発表されており、将来的には遠隔・自立での飛行を目指すとしています。
「VX4」が実際に日本で運用されることになれば、東京駅と成田空港を約14分で結ぶことが可能と言われています。
まとめ
海外では日本以上に空飛ぶクルマ(eVTOL)やエアタクシーのサービスへの企業間の競争が激化しています。
そして日本も海外企業の影響を大きく受けており、関西・大阪万博では海外企業の空飛ぶクルマを活用したエアタクシーの商業運行を見ることができるかもしれません。
株式会社アリラとは
私たちは空飛ぶ車社会の実現に向けて離発着帯(バーティポート(Virtiportと英語表記))の開発でインフラ面を支えます。
エアタクシーや物流ドローンの空の社会実現にはまだ程遠く、私たちはヘリポートをまずは開発し、日本国民が自由にヘリコプターでいけるようハードウェア開発とオンラインサイトを立ち上げヘリポートの自由化を目指します。
現状、ヘリポートはどこにあるのか知る手立てが一般人にはなく、航空会社の派閥の影響でヘリポート情報は解禁されていません。
その情報をオープンにして利用客の利便性向上に努めます。