近い将来、空飛ぶクルマが実用化される時代がやってくるといわれています。2022年現在、世界中で空飛ぶクルマの研究・実証実験がされていて、日本でも様々な自動車メーカーや航空会社が空飛ぶクルマの実用化に向けて取り組んでいます。
ただし、空飛ぶクルマを実用化するにあたっては、まだまだ多くの課題が残っています。そのなかのひとつが「ヘリポート問題」です。空飛ぶクルマ用のヘリポートとして注目されているものとして、「Vertiport(バーティポート)」というものがありますが、聞き馴染みがない人も多くいるのではないでしょうか。ヘリポートの大きさは法律で決まっているのですが、Vertiport(バーティポート)についてはどうなのか、そもそもVertiport(バーティポート)とはなにかについて今回の記事で紹介していきます。
Vertiport(バーティポート)とは?
Vertiport(バーティポート)とは垂直離着陸用飛行場のことで、空飛ぶクルマのような垂直離着陸可能な乗り物が離着陸する飛行場のことを指します。垂直を意味する「Vertical」と空港「airport」を合わせてできた単語で、頭文字の「V」をとって「Vポート」と呼ばれることもあります。
日本ではまだ馴染みがないものの、2022年5月にインフラ事業を展開する『Urban Air Port』というイギリス企業が、イギリスのコベントリーで、世界初のVertiport(バーティポート)を完成させました。また、2022年6月にドローン関連技術を開発する『ブルーイノベーション』という日本企業が、『Urban Air Port』と業務提携したことを発表しています。この2つの企業は空飛ぶクルマ用のVertiport(バーティポート)早期実用化に向け、共同開発や国内での実証実験も実施していくようです。
Vertiport(バーティポート)を設置するなら
Vertiport(バーティポート)を設置するとしたら、どのくらいの大きさのものを作ればよいのでしょうか。設置基準になるものがあるかどうかも合わせて紹介します。
ヘリポートの大きさ
地上ヘリポートと屋上等のヘリポートで着陸帯面積は異なります。地上ヘリポートは着陸する機体の投影面の全長全幅以上でなければいけません。そして、屋上等のヘリポートは着陸する機体の投影面の全長全幅の1.2倍以上でなければいけません。また、その着陸帯の端部から1/8勾配を突出するものは障害物になります。
Vertiport(バーディポート)の大きさ
2022年12月現在において、世界中どこを見渡してもVertiport(バーティポート)の大きさの基準を示した国や機関はありません。なので、「このくらいの大きさのVertiport(バーティポート)を作れば基準を満たしている」とは申し上げられません。
ヘリポートと同様の大きさ程度のものを用意すればよさそうにも思えますが、ヘリコプターと空飛ぶクルマは離着陸するときの飛行方式が違いますので、同じ基準にはならないと考えられます。
Vertiport(バーティポート)設置に必要なもの
Vertiport(バーティポート)設置にあたって、どのようなものが必要でしょうか。以下で2つ紹介します。
安全性や快適性が保てるもの
空飛ぶクルマもヘリコプターと同様に、離着陸のときには突風が発生します。特に障害物への注意が必要で、着陸帯の周りにモノが落ちていたら突風で飛ばされて大事故になる可能性もあります。高層ビルの屋上では予測不可能な突風が吹くことが多いので、Vertiport(バーティポート)を設置するときには安全性や快適性を保つための壁のようなものがあるとよいでしょう。
広いスペース(パーキングスペース含む)
空飛ぶクルマを実用化するのであれば、収容できる場所を準備する必要もあるでしょう。屋上に停めておくにしても、現状では屋上にVertiport(バーティポート)を設置できるようなスペースを確保しているビルはほとんどありません。準備にはかなりの時間を要するので、Vertiport(バーティポート)の設置を考えているのであれば、できる限り早めに準備を進めていく必要があります。
利用者の動線確保
もし、高層ビルの屋上等にVertiport(バーティポート)を設置しようとするならば、利用者の動線確保が必要です。現状だと屋上階から下層階まで繋がる直通エレベーターを用意しているビルはほとんどなく、何十段もあるような階段を利用するしかありません。これはほとんどの高層ビルで屋上を使うことがあるのはそのビルに関する業者しか想定しないためで、そのほかの利用を見込んで設計していないからです。
まとめ
今回の記事では、Vertiport(バーティポート)はヘリポートと同じくらいの大きさでよいのかについて解説していきました。そもそも日本ではVertiport(バーティポート)が認知されていないので、世界と比べるとまだまだ準備不足な感が否めません。空飛ぶクルマの実用化に向けて、日本もVertiport(バーティポート)設置に向けて準備を進めていく必要があるでしょう。
株式会社アリラとは
私たちは空飛ぶ車社会の実現に向けて離発着帯(バーティポート(Virtiportと英語表記))の開発でインフラ面を支えます。
エアタクシーや物流ドローンの空の社会実現にはまだ程遠く、私たちはヘリポートをまずは開発し、日本国民が自由にヘリコプターでいけるようハードウェア開発とオンラインサイトを立ち上げヘリポートの自由化を目指します。
現状、ヘリポートはどこにあるのか知る手立てが一般人にはなく、航空会社の派閥の影響でヘリポート情報は解禁されていません。
その情報をオープンにして利用客の利便性向上に努めます。